1.マイ器材の薦め

ダイビングを始めたばかりの方は、多くの方がレンタル器材ですね。
もちろんレンタル器材で潜る利点もいくつかあります。
ですが、ここでは、脱初心者を目指す方へマイ器材を持つことの利点についてお話したいと思います。

マイ器材を持つ利点は、

・自分に合った器材を使うことで快適さが増し、ダイビング中のストレスが減る
・器材への知識が深まる(器材セッティングなども楽々できるようになる)
・安心感を得られる
・ダイビングの楽しさ、世界が広がる

などです。

快適さという点では、顕著に違いを感じるのは、おそらくウェットスーツです。
レンタル器材のウェットスーツは規制サイズといわれるもので、おおまかにS/M/Lといったサイズで、近いものをお貸ししています。
ですが、同じ身長・体重でも、体形は人それぞれ違うもの。
窮屈だったり、ぶかぶかだったりしては、ストレスもかかりますし、ウェットスーツの保温効果は半減してしまいます。
規制サイズでもピッタリくる人もいますが、オーダーメイドだと確実に自分に合ったものになるでしょう。
オーダーメイドと規制サイズでは価格もさほど違いはありません。デザインは規制サイズのが豊富ですね。

あれこれ比べて買うことで、知識も増え、ダイビングの楽しさが、世界観がより広がります。

2.ウェットスーツ

気に入ったデザインのもので、サイズが合うならば既製品をオススメします。
既製品とはいえ、各メーカーによっておなじサイズでも大きさは異なりますので、お店で試着するなどして購入する方が良いと思います。(レンタル品は使用回数が不明なので、レンタル品でサイズ合わせしないこと。レンタルサイズはあくまでも参考サイズである。)

快適さと確実性を重視するなら、オーダーメイドがおすすめです。

クラフトダイブでもオーダーメイドウェットスーツを取り扱いしております。

オーダーメイドで注文する際に選べるのは、ウェットスーツの形状、生地、色の三点です。

まず、形状です。
一般的にワンピースとツーピースがあり、ツーピースは上下別のタイプになりますが、ツーピースの中でもいくつか種類があります。
どれが良いかは、完全に好みですが、選ぶ基準としては、脱ぎ着のしやすさと価格です。

ワンピースは、比較的安価ですが、脱ぎ着はしにくいです。おトイレの時にいちいち上まで脱ぐの面倒ですよね。
ツーピースはその点上下別なので、おトイレは楽です。ですが、ワンピースに比べて少しだけ高くなります。
また、チャック部分は、海水が出入りしやすいので、チャックの箇所が多いほど保温性は下がります。
ですが、手首、足首などは、チャックがあると脱ぎ着しやすくなるのであると便利です。好みに応じて付けるようにしましょう。

次に、生地です。
生地は、おもにジャージ素材とスキンと呼ばれるゴム系の素材があります。
一般的にレンタル品で使用されているのがジャージ生地です。手触りがよく伸縮性に富んでいます。
一方で、スキン生地は、つるつるのラバー生地で、保温性が高いのが特徴です。
ボートコートの表生地がこの素材であるように、スキン生地を使うと船の上で風にあたったときにジャージ生地に比べて温かいです。
オーダーメイドでは、表生地と裏生地が選べるので、双方の良いとこ取りをしても良いかもしれませんね。(ちなみに、沖縄のイントラに人気なのは表裏ともにスキン生地です。が、とても脱ぎ着しにくいので、おすすめはしません。。。)

さいごに、です。
色生地や、柄が入っている生地はほとんどがジャージ生地で、オーダーメイドで色を付けたい場合もジャージ生地になります。
また、オーダーメイドでは、生地の端を覆うバイアステープの色や縫い糸の色が選べます。
基本的に黒い生地なので縫い糸やバイアステープをカラーにするだけでもかなりアクセントになりおすすめです。

3.マスク

形状は大きく分けて、一眼マスク二眼マスクがあります。

違いは、文字通り左右のレンズがつながっているものと分かれているものです。
どちらにするかを選ぶ時に、気を付けたいのは度付きレンズを利用するかどうかです。

度付きレンズを利用したい方は、二眼マスクになります。
マスクとは別に、左右のレンズを購入して、お店または自分でマスクに付け替える形になります。

その他、デザイン性は好みで選んでください。
一眼か二眼かという事に加え、フレーム(目の周りのプラスチック部分)の色や形、スカート部分(肌に触れるゴム素材部分)の色の組み合わせで、だいぶ絞られてくると思います。 マスクのスカート部分は、おおむね白、黒、透明の三色です。


一眼マスク(スカートの色:黒)


二眼マスク(スカートの色:透明)

【スカートの色】

・やわらかな印象の見た目
・明るく感じる
・マスクがずれてもブタ鼻になっているのがバレない


・シャープな印象の見た目
・経年劣化を感じにくい
・マスクがずれてもブタ鼻になっているのがバレない

透明
・表情が見えやすいので、写真映えする
・視野が明るく、広く感じる

4.フィン

フィンは、フルフットフィンとストラップフィンの2種類があります。
ボートダイビングが主ならば裸足でもOKなフルフットフィンを、ビーチダイビングなどブーツを履いて歩くシーンがあるばらばストラップフィンを選びましょう。


フルフット


ストラップ

あとは重要なのは、フィンの素材と長さ、硬さです。

長い、硬い方が推進力は増します。そしてその分キックする力も必要になるので、脚力が必要になります。
短くて、柔らかいものは、脚力は少なくて済みますが推進力は下がります。
男女でも差はでますし、好みでも変わります。クラフトダイブの場合、いくつかのフィンはお店で試し履きも出来るので、実際比べてみるのも良いですね。

例えば、ボートでのドリフトダイビングの場合はフルフットフィンで推進力のあるバラクーダフィンやワープフィンなどが人気ですし、
ケラマ諸島で珊瑚礁をゆっくり泳ぎながらまわるようなダイビングでは、MEWフィンなどが人気です。

いくつか持っていて場面ごとに使い分けると良いですね。

5.BCD

ウェットスーツの次に浮力に大きく関係するBCD。重器材の入り口というか、重要な器材ですね。
BCDは、形が主に3種類あります。


クラシックZERO G(スキューバプロ)

・ジャケットスタイル
BCD全体に空気がいきわたるタイプです。エアの吸気排気がしやすく、安定して大きな浮力を得やすいのが利点です。
ジャケットタイプは、上半身全体を包み込むようにエアが充満することで中世浮力が取りやすく姿勢が安定します。
デメリットは、サイズの融通がききづらく、ウェットスーツとドライスーツで併用するといったようなことができません。
どのような体勢になっても、バランスの取れるBCということで有名ですが、サイズを間違えて買った、太った、痩せたなどでBCのサイズが合わない場合、水中でバランスを取りづらいBCになってしまいます。
有名なメーカーだと、「SCUBAPRO」「Reyson(SAS)」がこのタイプのBCです。
当サイトでは取り扱いが無いですが、ご希望の方はお取り寄せ出来ますので、価格や入荷時期など含めてお気軽にご相談ください。


アクシオム(アクアラング)

・ショルダーバックルスタイル
肩のバックルベルトで調節して身体にフィットさせるタイプです。
クラフトダイブもそうですが、レンタル器材でこのタイプを使っているショップが多いと思います。
前面に付いているベルトで自分の身体のサイズに調整ができるので、身体への高いフィット感が得られ、着脱も容易です。
肩以外の部分には、空気が入るので、中世浮力が取りやすく姿勢が安定します。レスキュー時に脱がせやすい点も良いですね。
基本的にどのメーカーからも販売されている形なので、初めて買う方にもおすすめです。


ズーマ(アクアラング)

・バックフロートスタイル
とにかく軽量コンパクトなのが売りです。海外旅行など、飛行機の重量制限を気にする方に人気なタイプのBCDです。
文字通り、背中部分にしか空気が入らないので、水中では安定した姿勢が取れますが、水面では少しバランスが取りにくいです。
脇や前面に何もないので、追加でポケットを付けたり、フックをつけたり、収納機能は自分でカスタイマイズ出来ます。フォトダイバーにも人気です。

6.レギュレータ&オクトパス

 

呼吸できるという点では一番重要な器材です。なので、選ぶポイントはズバリ、呼吸のしやすさで選んでください!
極論を言えば、空気が出ればいいですが、粗悪な製品は深いところや寒いところでエアが止まるなどもあるようですので、注意して買いたいですね。

では実際に呼吸のしやすさを比べてみましょう!

比べるポイント 1.ジュール
ジュールとはレギュレーターの呼吸抵抗を数値化したもので、数字が低いほど呼吸抵抗が少なくなります。
各社カタログに出ていると思いますので、参考にしてみてくださいね。
このジュールは、専用の機械を使って図るのですが、数値の信頼度や製品の信頼度から言っても、大手ダイビングメーカーのものから選ぶ方が良いでしょう。(アクアラング、GULL、TUSA、スキューバプロ、apeks、Maresなど)

レギュレータとオクトパスを同じ製品にする必要は特にはありません。
オクトパスはあくまでバックアッププランなので、軽量なものを選ぶもよし、レギュより安価におさえるもよしです。
だた、バックアップを使うときは緊急時ですよね、人に空気を分ける時や、自分のレギュが壊れたときなど、大体がストレス下の状況です。
レギュと同じもの、または同等の製品にしておけば、普段通りのパフォーマンスをしてくれるのでストレスは減るでしょう。
オクトパスは、レギュを選んだあとに、予算と相談して決めてもよいですね。

比べるポイント 2.流量調節機能
簡単に言うと、空気が出る量を調節する機能です。口で加える部分の横にツマミがついていて、まわすと量が調節できます。
実は、呼吸するときに欲しい空気の量は人によって違います。また、同じ人でも、体調や深度、運動量でも変わります。
そこを調整できるのは大変便利です。ですが、流量調節機能が付くと値段が高くなりますので、ご予算と相談してくださいね。

比べるポイント 3.重量と対応水温
旅行先でダイビングをする方は、重量も見ておいた方が良いでしょう。メーカーによっては、軽いものと重いものでは1キロ違う場合があります。 ただし、軽量コンパクトタイプはその分機能が絞られている可能性が高いので、どこを重要視するかよく比べて判断しましょう。
対応水温ですが、寒冷地ダイビング、高所ダイビング、テックダイビングなど特殊なダイビングをする方は、対応する環境下にあるかしっかり確認して買うようにしましょう。
沖縄で通常のダイビングをする場合には、対応水温はあまり気にしなくても大丈夫です。

7.値段の差について

最後に少しだけ値段の差についてです。
よくお客様に「この値段の差はなに?」「なんでこんなに高いの?」と言われます。私も、初めはそう思ってました。
結論として、価格の差はおおむね「使っている素材」と「機能の数」です。
ダイビングという遊びは、陸上の生物である私たちが本来は行けない世界へ行く遊び方です。
それを可能にするシステムは、長年かかっても、こんなに大がかりで大変なものなのです。
やはり、塩水にさらされ、紫外線にさらされ、波に打たれ、過酷な環境下で長く使える素材となると、そもそもの原価が高くなります。
安い製品は、そこを消耗品と捉え、使い捨てに近いような素材が使われます。レンタル器材用に売られている安価なものはそれに当てはまるでしょう。
機能も素材と同じです。水中をいかに快適に過ごせるかを各社競って開発しているので、その開発コストがあります。
なので、最新機能が搭載されるほど値段は高価になります。
ですが、機能に関しては、少し過剰なものもありますよね、そこはよく見比べて、自分に必要な機能を選んでください。

といっても、高価なものですし、それぞれご予算があると思います。
後悔しないお買い物にするべく、私たちに出来ることがあれば、お気軽にご相談くださいね。
これからも長く使うというのであれば、値段だけではなく、ぜひ、「良い品質のもの」を選んでください。